つれづれなるままに... by mahsa |
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本ブログでもその前身の通信でも何度も登場してきた、京都の洋菓子店バイカルのマドレーヌ「リーシェ」。学生時代も、社会人になって東京へ転勤しても、独立後もずっと愛食してきた。約10年前に、もうこれで終売という報せに驚き、なんとか続けてほしいと社長に直接手紙を書き、願いを聞き入れていただき、ずっと販売継続していただいてきたこの名菓。
お菓子の種類が増え続け、また洋菓子業界全体のレベルが向上したといわれる今日でも、私にとっては、世界で一番おいしい、大好きな焼き菓子である。 そのリーシェと、ついにお別れのときがやってきた。 10月のぎふでのライフで、お客様にお配りし、そして、最後のひとつを大切にとっておいていた。 10年前も同じように、終売と聞いてから大切に残して、ギリギリになって手紙という作戦を思いついたが、今回はもう、その手段も通じない。 最後のひとつの味を忘れないように、しっかり刻み込みながらいただこうと心に決める。この瞬間が怖くて、しばらくこれを見ないで過ごしていたが、日曜の朝、「もう、いい」と急にふっきれ、最期のひとつの袋を一気に開封し、いただきはじめる。なんだか小さくなったなと思いながらも、途中、半分残して、明日の朝、残りを食べようかと思いつつも、「もう、いい」とそのまま、食べ終えた。 自分でいれるカフェオーレと最高に合う。このコンビネーションも最後の味わいだ。 食べ終わったあと、胸がいっぱいになり、悲しくなってきた。 大好きなものがもう二度と食べられないと、わかって食べるのはなんと悲しいことだろう。 最後の晩餐ではないけれど、私にとって30年間愛したお菓子との別れ。最後のスィーツタイムだ。 京都時代の、転勤後の、そして独立後の・・・。いろんな思い出がパノラマチックに蘇る。 もうおそらく、二度と出会えないリーシェ。ありがとう、ありがとう、本当にありがとう。 これを10年も続けてくださったバイカルの川勝社長、創ってくださったパティシエ、販売スタッフの皆さん、また一緒に応援してくださった全国各地の皆様へ、本当にありがとうございました。 たったひとつのモノとの別れなのに、こんなに悲しく寂しく、また思い出深いとは。 といいつつ、またどこかで再会できる日がくることを、静かに静かに願いつつ・・・。こんなに世の中にお菓子があふれているのに、やっぱりこれが好き!と言えることは、とても幸せだ。リーシェにまつわるさまざまな思い出を生涯忘れず、生きていこう。
by mahsa1203
| 2013-11-25 04:39
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全体メッセージ words インフォメーション 旅・出会い La Grande Roue Web
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