つれづれなるままに... by mahsa |
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人は永遠に美を求める。造形的な美、機能的な美・・・。日本で知られるアルゼンチンタンゴはポマードで髪を決め、足長細身の男女がセクシーに絡み合う・・そんなイメージがすぐ浮ぶが、本場に来るともっと現実的な等身大の、しかも人生の喜怒哀楽をそのまま表現しているダンサーに出会うことがある。見た目は中年の男女であり、顔も体型もダンサーといわれて、「へえ?」と思うようないわゆる普通の容貌で背も高くないし、痩せてもいない・・。ステージに現れた瞬間、ポスターと違うが大丈夫か?と思ったが、音楽がはじまると、なんとも表現豊かに愛を舞い始めた。技巧ではなく、表情。なんともいえない笑顔のタンゴ。どうやら、女性はヨガの先生、男性はタクシードライバーだそうだ。汗をびっしょりかいているのがなぜか似合う、これまで出会ったことのない、内面からのタンゴを見た。その真剣さに、思わず涙があふれ、心の中で踊っている・・・1時間の熱いパフォーマンスが終わった頃に、隣の見知らぬ初老の夫人と一緒に立って、大きなブラボーを叫んでいた。(日本では考えられない)人には与えられた才能がある。限界もある。そして個性がある。私はここのところ、ずっと表現について勉強しているが、あんなにやさしい自然な笑顔で踊るタンゴダンサーは初めてであった。そして、彼らはまる1時間のステージを終え、汗をびっしょりかきながら、笑顔で観客を見送りにやってきた。「日本から来ましたよ」「ぼくたちも、来週ウィーンに行くときに東京へ寄りますよ」。そんな会話をしはじめたが、熱狂的なファンに取り囲まれ、中途半端に終わる。それはそれとして、今回学んだこと・・・人が一番感動するのは、一生懸命やっている!というその姿であり、心からの叫びである。技巧や見た目だけではないのだ。なぜか励まされる。・・・しかし、このコンサートのポスターはどうも現実と違い、写真のごとくカッコイイのだ。そういう意味ではポスターに騙された。確かに初めてお客に来てもらうためには、三枚目より二枚目、現実より幻想的な方が良い。その見せ方も勉強になった。改めて、タンゴの広さ、深さを知る。
by mahsa1203
| 2012-04-06 03:02
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