つれづれなるままに... by mahsa |
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だいたい最近の講演というと、スクリーンに文字なり図や写真なりを投影させ、それを見せながら話をしていくという例が多い。そんななか、先日の作家の講演は、1時間強、たちっぱなしの、話だけのものでとても新鮮に感じた。言葉の力だけで観客、聴衆をひきつけるにはそれなりのテクニックが必要である。もちろん講演の内容にもよるが、道具に依存しがちな現代人にはいいお手本であると思った。時には、ユーモアで笑いを誘い、ときには語気を強め、ポイントを強調し、そして話の構成は、小説の章立てのように「今日お話する理由は4つの点によるものです」といいつつ、予め話が見えるように観客を導き・・・何も視覚的素材がなくても、話は楽しく聴けるものだと感心していた。そして最後は、最新作の小説の話と、それに対して送られてきた読者からの手紙の披露。作家はきちんと演出を考えていた。胸ポケットから、手紙を出す瞬間、「これが決め手だ」といわんばかりのオーラを発した。そして作家は便箋3枚あまりの読者からの叫びとも、訴えともとれる感動の手紙を情感豊かに読み上げ、「これで講演を終わります」と締めくくった。あとは自分たちで考えてください。ともとれる絶妙な余韻を残して終わったのだ。この読者の手紙が、本当のものか?あるいは作家が講演のために作ったものか?とまで思ってしまうほど、おそらく作家の意図通りに、私は感動した。作家はペンという道具だけでメッセージを発信できる才能の持ち主である。過剰に道具に頼らない、シンプルかつ感動的な発信法について、学ばせていただいた。すべてを計算しつくし、余裕の発信を。まだまだ修業が足りないわが身である。
by mahsa1203
| 2012-03-06 04:35
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