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つれづれなるままに...
by mahsa
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心に眠る駅に降り立つ夜
金沢という町。岐阜から特急列車に揺られてたずねた雪のあの日。そう、受験をするためにここにやってきた。犀川という室生犀星で知られる美しき川に雪が降り落ちていたあの朝、橋のたもとで発声練習をおもいっきりして邪をひいたか本番で失敗した声楽、そのショックが尾を引き将棋倒しのように失敗したピアノ。ああ、懐かしき今も忘れない私の二度目の大学受験の失敗である。その舞台がこの町であった。そんなわけで学生時代この町に住むこともなく、社会人になってから「思い出の町」金沢には、取材で京都から2~3度訪問し、帰りに近江町市場に寄った記憶。確かそれは20代の思い出・・。だから今回は20年ぶりの金沢。新潟に通っているうちに、そろそろ金沢行きの新幹線ができるという話を知り、新潟・長野・そして金沢はそんなに近かったのか。では新幹線が通る前にその近さを実感しておかねばと、上越から特急に乗った金沢行き。
わずか1時間半ほどで金沢駅。スーツケースを引っ張って駅に降り立つ。「へ?これがあの金沢か」
それはまるで名古屋か博多か仙台か・・いやもっと大変身している。金沢の仲間に「見所は?」とたずねたら「まずは駅周辺」といわれたことに納得する。話を戻す。駅に降り立ったとき、20年前ひとりでやってきた当時の気持ちに戻った気がした。緊張し未開の地に来たような。人には誰にも忘れられない駅があるはず。私の心にはいくつかの駅が眠っているが、まさに金沢はそのひとつ。人生やり直しはできないし、する気もないが、間違いなく二十歳前の自分の気持ちに立ち戻ることはできる。あのとき、受験に成功していたら、今の人生はなかったから、これで良い。金沢の友に「もし、金沢の学校へ行っていたら、こんな風に会えなかったけれど、あなたと近江町市場ですれ違っていたかもね。」というと「近江町市場ですれ違っていなかったかもだけど、きっと一緒に仕事をしていたと思うよ」その言葉に胸がきゅんとなった。降り立つ駅も出会う人もすべて人生の交差点なのかもしれない。
by mahsa1203 | 2011-07-15 00:13 | words
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