つれづれなるままに... by mahsa |
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今年初の病院演奏ボランティア活動日。昨年1年間続けてどうするか、と自問した結果、自分のために続けようという答え。私の演奏日は、いつのまにかその病棟の家族交流会になっており、患者様のご家族が集まってこられる。私なりの音楽療法に、季節感は重要アイテム。であるから、雪や北国に関する曲とトークからはじめる。手が冷たいからといっては、患者様と握手をし、クイズ形式の問題を出しては手を挙げてもらう。ごく普通のおもしろライブトークショーである。
曲が終わるたび、トークの一呼吸の合間に、必ず誰かが拍手をしてくださる。そうすると他の方もつられて手を叩く。家族の方に私の間抜けなジョークが受け、会場全体がなんとも丸い雰囲気に包まれる。最近は、自分のオリジナル曲も演奏することにしている。知らない曲に対する反応は意外に良好である。「本当に自分で作ったの?」「素晴らしい」と声が出る。そして演奏会終了時に、「感動した。今日は本当にうれしい。」とご婦人が立ち上がって涙声でおっしゃった。それにつられてまた拍手が沸いた。本当に、ここは認知症の病棟か?私には信じられなかった。名残惜しくてなかなか解散にならない。やっと皆さんが席を移動しはじめた後、ひとりの患者さまが私のもとへ。「先生、先生のこと忘れたくないので、先生が何か書いた紙もらえませんか?」実は、事前に「愛」という筆文字を書いてきて、今日はこれがテーマです~などと見せながら話していたので、思わずその半紙を渡したくなった。が、病院スタッフが「いえ、渡さないでください」と患者様にやんわりと対応された。病棟では紙1枚、花一輪渡してはいけないのだ。誤って食べてしまったりしてしまうことがあるらしい。この瞬間、ここはやっぱり病院だったと認識。と思う反面、この方に1枚の紙をさしあげることで、その方が毎日それを見て私のこと、楽しいこの時間を思い出してくれるなら、治療に役立つのでは?という思いが帰り道、ずっと消えなかった。「あげられなくて、ごめんなさい」残念そうに、ふうっと席に戻っていった患者様のその後姿が忘れられないでいる。瞬間の幸せしか、喜びしかあげられないけれど、それが永遠になるようになれば・・・。と、結局私は今年も、自分自身のためにここに通う。ボランティアという仕事は、自分のための深い人生学習なのである。
by mahsa1203
| 2011-01-28 06:37
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